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物語教材の課題の作り方

【文学作品とは】

  文学作品には必ず作者の伝えたいこと(主題)があります。主題を伝えるために、登場人物が設定され、主人公が変化するようにストーリーが工夫されているのです。ストーリーの中で、登場人物が成長・変化していきます。その過程を通して、主題を表現しているのです。

【主題に迫るための布石】

 文学作品には、登場人物が成長・変化していくための布石が埋め込まれています。
受動的な読みでは見逃してしまいます。能動的に読むと、布石が見えてきます。
「おやっ。」「何か変だ。」と感じるのです。普通ではありえない登場人物の言動が見えてきます。
 なぜ、普通ではあり得ない登場人物の言動があるのかといえば、それでなければ「登場人物の成長・変化」があり得ないからです。
 すると、どの登場人物の変化を学ぶかが大事になります。成長・変化する人物を学ばなければ主題にたどりつかないのです。学習問題を作るときは、中心人物の変化を追求するための課題づくりにつとめます。

【中心人物とは】

・『課題(願い)を持ち、困難に出会い、解決を試みる人物が中心人物。』
・願いがある → 行動をする → 障害にあう → 乗り越える
・願いがあり、困難にぶつかりながらも変化し、達成する人物。(願い・困難・大変化)
・意外な行動を自分の意志(決意)で起こし大変化する人物。
・事件を起こす人。言動が大きく変化する人。
・中心人物が課題を実現しようとするとき、壁にぶつかり、行動を起こします。
それが、事件であり、そのときに変化が起こるのです。

【中心人物の変化から課題を作る】

 はじめに「変だ」「おかしい」からはいると、問題がたくさんになりすぎます。
一番大きな、大事な変化を探します。全体の中での中心人物とその大変化した場所を確認するのです。
すると、問題が絞られてきます。これを大問題と呼びます。

 大問題が決まれば、その大問題を解決するために、その前にその布石になる問題「変だ」「おかしい」を解決しておかなければなりません。これを「中問題」と呼んでいます。

 そのほかにも「変だ」「おかしい」はたくさん見つかります。しかし、大問題を解決する道筋にないものは課題にはしません。シンプルな学習展開が一番わ分りやすいからです。


【一番大事な変化の見つけ方】

  物語を「最初に〜だった主人公が、〜により、最後には〜になるお話。」と一文でまとめてみます。
(ごんぎつね)
最初一人ぼっちでいたずらばかりしていた『ごん』が、兵十に償いをすることにより、最後には一人ぼっちでなくなるお話。
(大造じいさんとがん)
最初残雪をたかが鳥と思っていた大造じいさんが、残雪の頭領らしい姿を見ることにより、最後には残雪をえらぶつと思うようになるお話。

 この中の「〜により」とか「〜になるお話。」の部分を探すと、大事な問題を見つけることができます。
中心人物がこの部分で変化するからです。

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